【医療機関向け】パート・非常勤スタッフの雇用契約トラブル回避術|契約書と就業規則のポイント
この記事でわかること(3分で読めます)
- 医療機関で急増するパート・非常勤スタッフとの「契約トラブル」の実態
- 「有給休暇」「契約更新(雇い止め)」「残業代」の3大リスクと対策
- トラブルを防ぐために必須となる「労働条件通知書」と「就業規則」の整備ポイント
- 仙台・岩沼エリアの医療機関に特化した社労士によるサポートの流れ
はじめに「なぜ今、パート・非常勤スタッフとの契約が注目されているのか」
医療機関では、正職員に加えて多くのパートタイマーや非常勤スタッフが診療や運営を支えています。特に、受付業務や医療事務、看護助手などの職種では、非正規雇用の割合が高くなっており、地域医療の維持には欠かせない存在となっています。
しかし近年、こうした非正規スタッフとの雇用契約をめぐるトラブルが全国的に増加しており、仙台市・岩沼市の医療機関でも同様の課題が見られるようになってきました。
背景には、雇用契約書や労働条件通知書の未交付、または内容が不十分であることが挙げられます。
⚠ トラブルの火種になるケース
- 「更新の有無が明示されていなかった」
- 「残業代の支払い基準が不明瞭だった」
- 「就業時間の記載と実態が異なっていた」
こうした労務上の不備が、本人との信頼関係を損ない、最悪の場合は労働基準監督署への通報や法的なトラブルに発展する可能性もあります。
特に2024年以降、労働条件の明示義務が強化される動きもあり、今後は非正規職員との契約・就業ルールをより丁寧に整備しておく必要が高まっています。医療機関にとって、採用の難しさや人手不足の中で、せっかく入職してくれたスタッフに安心して働いてもらうためにも、「働くルールの見える化」が大きな鍵となります。
本記事では、医療機関における代表的な労務トラブルの事例やその背景を紹介しながら、契約書・就業規則の整備方法、社労士による支援の具体的な進め方について分かりやすく解説します。
医療機関で起こりがちなパート・非常勤スタッフとのトラブル事例
有休付与と取得条件の認識ズレ
医療機関では、週2~3日勤務のパートスタッフが多く在籍していますが、「うちは週2日だから有休は関係ない」と思い込んでいるケースが少なくありません。しかし実際には、所定労働日数に応じて比例付与される制度があり、たとえ週1日でも勤務実績が一定の条件を満たせば年次有給休暇は発生します。
また、時間単位年休制度を導入している場合は、パートタイム労働者にも適用されることがあります。この点を雇用主・従業員の双方が正しく理解していないと、「休みを申請したのに断られた」「有休を取らせてもらえない」といった不満や労使トラブルに発展しかねません。
契約更新時の説明不足によるトラブル
パートや有期契約スタッフとの契約において、「自動更新」と勘違いされたまま雇用を継続してしまうケースが医療機関で多く見受けられます。実際には、労働契約が1年ごとの更新制であっても、その旨を契約書に明示し、更新の有無についても都度説明することが重要です。
説明がないまま雇用を打ち切った場合、「雇い止め」に対する不服申し立てや、労働審判・訴訟へ発展する可能性もあります。特に高齢の職員や長年勤務しているスタッフについては、「このままずっと働けると思っていた」といった誤解が生じやすく、トラブルの原因になります。
残業代の未払いや割増賃金の計算ミス
パートや非常勤スタッフにおいても、残業や深夜勤務が発生した場合には、法定通りの割増賃金が発生します。しかし、医療機関では「常勤ではないから残業代は不要」「業務が終わらなかったのは本人の都合」という誤解から、正確な賃金計算がされていないことがあります。
たとえば、医療事務や看護助手が診療終了後の片付けをしている時間が、労働時間に含まれていない事例は典型です。日々の勤怠記録を正確に取り、システムやタイムカードによる管理と、就業ルールの明文化が欠かせません。
トラブルを未然に防ぐ3つの基本ルール
① 労働条件通知書を必ず交付する
パートや非常勤スタッフを雇用する際、労働条件通知書の交付は法律上の義務です。書面または電子交付により、契約期間、就業場所、業務内容、労働時間、賃金、休日など、法定記載事項を明示することが求められています。
仙台・岩沼地域の医療機関では「口頭で条件を伝えたから大丈夫」とするケースが散見されますが、これは明確な法違反であり、労働基準監督署の調査対象となる可能性があります。
特に有期契約の場合には、「契約更新の基準(例:勤務態度、業務量など)」も記載すると、将来的な「雇い止め」トラブルを回避しやすくなります。
② 雇用契約書で就業ルールを明文化する
労働条件通知書に加えて、雇用契約書で詳細な就業ルールを明文化することが、パート・非常勤職員との信頼関係構築に役立ちます。
特に、通勤手当の支給基準や金額上限、副業の可否、契約更新の有無、残業の取り扱いなどは、労使間でトラブルになりやすいポイントです。
また、「就業規則に準ずる」とする際は、実態に即した就業規則が前提であることを認識し、必要に応じて社労士に相談しながら内容を精査することが大切です。
③ 就業規則で非正規職員向け規定を整備する
パートや非常勤職員に関する労務トラブルを防ぐためには、就業規則に「パート章」などの非正規向けの章を設けることが有効です。
労働時間、休日、有給休暇、残業、契約更新、福利厚生などについて、正職員と異なる運用をする場合は、その差を明示的に規定しておく必要があります。例えば「育児休業は正職員のみ」としたい場合、それを就業規則上に明記していないと、不利益取扱いとされる可能性があります。
社労士が解説!整備に役立つ実務ツールと支援の流れ
労働条件通知書・契約書のテンプレート例
パートや非常勤スタッフとのトラブルを未然に防ぐためには、正確で実態に即した労働条件通知書・雇用契約書の作成が不可欠です。とくに医療機関では、以下のような多様な雇用形態が存在するため、テンプレートも一律では対応できません。
- 「週〇日勤務」
- 「午前診療のみ」
- 「扶養範囲内での勤務」
たとえば、「勤務時間:9:00~13:00(休憩なし)」とする場合でも、実際に診療が長引いて13:30まで勤務しているようなケースでは、時間外労働が発生している可能性があり、文面と実態の乖離がトラブルの原因になります。社労士事務所では、こうした医療機関向けの契約文書のテンプレートをベースに、院の実情に合わせた内容に修正し、トラブル予防に強い書類作成を支援しています。
現状ヒアリング→制度設計→導入支援の流れ
医療機関での契約や就業ルール整備をスムーズに行うには、現状把握から制度設計、院内への導入・説明までを一貫して行う支援体制が有効です。
- ヒアリング・診断:勤務実態や運用ルールを確認し、「シフト延長の常態化」などのリスクを洗い出します。
- 制度設計:必要な就業規則や契約書の修正案を作成。パートや有期契約職員向けに「雇用形態別のルール化」を行います。
- 導入・周知:経営者・事務長向けの説明会や、スタッフへの周知会を実施し、認識のズレを解消します。
きくち社会保険労務士事務所では、導入後も変更が必要な場合やトラブルが発生した際の相談体制を整えておくことで、安心して運用が続けられるようサポートします。
まとめ「非正規職員こそ安心して働ける職場づくりを」
医療機関では、診療補助や受付、清掃業務など、パート・非常勤といった非正規職員が現場を支える重要な存在となっています。こうした方々が安心して働ける職場をつくるためには、「ルールが明確に示されていること」が大前提です。
契約書や労働条件通知書をきちんと整備し、パート職員向けの就業規則も用意することで、スタッフは「この職場はきちんと自分のことを考えてくれている」と感じ、信頼関係が築かれやすくなります。実際、契約ルールの整備に取り組んだ医療機関では、「有給取得の相談がしやすくなった」「急な更新終了の不安がなくなった」といった声も聞かれ、結果的に離職率の改善や定着率の向上につながっています。
仙台市・岩沼市を中心に医療機関の労務支援を行っている「菊地経営労務管理事務所」では、こうした非正規スタッフに関する契約・制度の整備を、わかりやすく、丁寧にサポートしています。「うちもそろそろ見直した方がいいかも」と感じられた方は、まずはお気軽にご相談ください。
スタッフが安心して長く働ける職場づくりを、一緒に進めていきましょう。
菊地経営労務管理事務所
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